ケースレポート（症例報告）
2023年10月30日

ワクチンアレルギー

今日はワクチンアレルギーについてのお話です。

ワクチンアレルギーとは、名前の通り、接種したワクチンに対するアレルギーのことです。

ワクチン接種後に蕁麻疹でお顔が腫れ上がったり、重篤な場合は、アナフィラキシーショックを起こします。蕁麻疹が皮膚に出る場合もあれば、消化器（腸）に発生する場合もあり、この場合は嘔吐や下痢などの症状が現れます。

ダックスや柴犬、フレンチブルドッグで発生することが多いですが、様々な犬種で起こります。

体質によるものなので、事前に予測することは困難です。過去の接種でアレルギー反応が起こった場合は、繰り返しの接種で反応しやすくなります。接種前に獣医師に事前に申告することが重要です。また過去にアレルギーを起こした子は、接種前に抗アレルギーの注射を打つことやワクチンの種類を変更したりして、アレルギー反応を抑制します。それでも、アレルギーを起こしてしまう場合は、接種できない場合も出てきます。最近では、伝染病に対する防御能力を調べること（抗体検査）ができるようになりました。事前の処置を行っても、ワクチンアレルギーが発症してしまう子は、このような検査を活用して必要なタイミングで接種することをお勧めしています。

もし万が一、ワクチン接種後の異変を感じた場合は、病院に連れてきてください。その際以下の点にご注意ください。

アナフィラキシーショックの場合は、一刻を争う事態なのですぐにお越しください。蕁麻疹の場合は、動き回ること・体温上昇で症状が重くなる傾向にあるので、なるべく安静にして連れてきてください。

ワクチンアレルギーと言っても、頻繁に発生する副作用ではないので、過度な心配をせずにワクチン接種を受けていただければと思います。